「パンの話」を、二つ!
我が家のパンは、自家製です。イギリス流の山型の食パンが定番ですが、ドイツ風のブレッチェンも絶えず、冷凍室に保管されています。
パン職人の奥方によれば、ブレッチェンはパン作りの基本ともいうべきパンなのだそうです。それは、作るためのプロセスが、ほかのパンに比べ簡単で、しかもパン本来のおいしさを味わうことができるからです。
さて、このブレッチェンは、こぶし大のやや硬いパンですが、製作過程で、その名もブレッチェン棒(我が家のものは、直径1,3cm、長さ18cmの丸棒です)で中央部分に凹みを入れます。焼きあがったとき、その凹みは、一本の筋になって残っています。
何度もやったドイツ滞在中、私はそれこそ毎日のようにブレッチェンを食べましたが、初めに、つい、その筋に沿って二つに割ってしまいます。ブレッチェン棒の魔術にかかるのかも知れません。ところが、ドイツの友人たちは、その筋には目もくれず、ナイフなどで、上下にスライスして食べます。サンドウィッチにしなくても、必ずスライスします。そうする訳を聞く前に、ドイツのおっかさん(当ブログ『じゃがいも』の記事で、紹介したバンダームッターのことです。)は、亡くなりました。
イギリスの食パンは、食べるときに必要な分だけスライスしないと風味を損ないます。たいてい、すでにスライスしたものをワックスペーパーでパッケージして売っていますが、最善の方法ではありません。そのことに関係の深いエピソードを、「パンの百科」(締木信太郎《しめぎしんたろう》著・中公文庫)で見つけました。
今は亡きケネディ米大統領(在職1960年~1963年)は、ある日の記者会見の際、左手に白い包帯をして登場しました。一人の記者がさっそく、「どうしたのですか?」と聞いたところ、ケネディは、「パンを切ったとき、ちょっとやっちゃったんだ。」と答えたそうです。 「おそらくケネディもスライスパンは嫌いだったんだろう…」というのが、著者の感想です。
今、午前9時になろうとしています。今日の昼食には、やはり大好きなパンをいただくことにします。
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